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スタッフインタビュー安川由莉【前編】

スタッフインタビュー安川由莉【前編】

スタッフインタビュー安川由莉さん【前編】

NPO法人エデュケーションエーキューブ(EA3)スタッフ兼広報の三上佑季です。
こちらの記事ではEA3で働くスタッフのインタビューをお送りします。
2回目となった今回は、(インターン期間を含めた)入社2年目の安川さん(やっさん)です。

安川由莉さん
西南学院大学法学部国際法関係学部 卒業
大学時代は英語塾や野球場でのアルバイトを経験。ゼミでは国際家族法を専攻し、架空の国際取引紛争について英語でディベートをおこなう団体「Vismoot(国際模擬商事仲裁大会)」などにも精力的に取り組んだ。その他にも、大学2年生でルワンダ共和国にて1ヶ月のインターン、大学3年生の時に「トビタテ!留学JAPAN(※)」という文科省が推進するキャンペーンに応募。見事専攻を通過し、インドに7ヶ月間滞在し、IT留学、人材会社にインターンとして働いた。(インド留学に関してはこちらの記事も合わせてご覧ください。)現在はフリースクール事業の運営を担う。

※文部科学省が行う、意欲と能力ある全ての日本の若者が、海外留学に自ら一歩を踏み出す機運を醸成することを目的として、2013年10月より開始した留学促進キャンペーン

「企業利益のために働く」ということへの疑問。インドでの留学で気づいた根底にあった「大切にしたいこと」

もともと、「企業の利益を産むために働く」ということに引っかかりがありました。もちろん企業が利益を出す必要があることは理解していますが、どうしても「ビジネス=汚い」といったイメージを拭えずにいました。それに、紙面やHP上だけの情報ではそもそも「働く」ということのイメージを持つことさえ難しいと感じました。
そんなこともあり、大学3年生の後期のタイミングで、以前から興味のあったITの勉強と海外インターンという2つの経験を積むプランを立ててトビタテ留学JAPANに応募しました。インターンで少しでも「働く」というイメージが沸き、ビジネスへの苦手意識も変わればいいなと思ったんです。

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インドでは「インドのシリコンバレー」と呼ばれるバンガロールでPython(プログラミング言語)とそれを活用したデータ分析、フレームワークを学んだという安川さん。

インターンがない休日には、日本語学校の立ち上げのお手伝いや知り合ったインド人の方の結婚式への参列、インド国内の旅行など活動的に過ごしたといいます。

濃密な7ヶ月間を経て、ビジネスへのイメージや就活への意気込みはどのように変わったのでしょうか。

インドで、自分の信念を持って働いている人や自己成長の為に働いている人に出会い、働くということに対する意識が変わりました。

そして、ビジネスについて理解することもできました。ですが一方で、それでも「払拭できない何か」があるということを再確認した、というのが正直なところです。
帰国後はその「払拭できない何か」を抱えたまま、IT系や外資系の企業、グローバル展開してる企業などを軸に就活をしていました。

しかし、どうしても「なんのために就活してるんだろう」という疑問を拭えなかったんです。

だから、みんなと同じようにESをたくさん書いて、いろんな合説に行って、、という行動をどうしてもとれませんでした。
そこで、「利益のためではなく、社会のためになること、困っている人のためになることをしたい」という「自分の根底にあるもの」「大事にしたいこと」はやっぱり変わらないんだと改めて確信しました。

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インド留学という大きな節目で、「この経験をもとに、、、」と将来を結びつけるのは簡単ですが、あくまでご自身の違和感にまっすぐ向き合った安川さん。

この決断が、後の出会いにつながっていきます。

ドット(点)がつながった、EA3でのインターン

安川さんは根っからのソフトバンクホークスファン。大学時代も野球場でのアルバイトをしていたと言います。
一見、進路に何の関係があったのだろう??という分野の違うお話に聞こえますが、実はこのアルバイトこそ、安川さんの次のステップへのキーになったのです。

野球が好きだったので、チケットの「もぎり」やファールボール・ホームランボールの笛吹きなんかもやっていました。笑
そこでたまたま同じアルバイトとして働いていたのが、代表・草場さんの次男さんでした。
もちろんはじめはそんなことは知らず、お互いに年齢が近いこともあり、進路についての悩みも話すなど会話が弾みました。
そんなある日、次男さんから「もしかしたら父がやっている事業がフィットするかも、、、」ということでEA3を紹介してもらったんです。

なんと、バイト先で出会ったのが今の職場となるEA3の代表の息子さんという奇跡。安川さんも「この提案は本当にナイスでした。笑」といいます。

教育にはもともと興味がありました。というのも父が小学校教員として20年近く現場で働いていたからです。
しかも父は特別支援学級の専門だったため、不登校支援やインクルーシブ教育に特に興味があったんです。
EA3は私が興味があった分野に近かったですし、進路にも悩んでいた時期だったので「まずは視野を広げてみよう」とインターンをすることに決めました。

そしてもう1つ、実はEA3のインターンを始めた背景には弟さんの存在も大きかったと言います。
安川さんは3歳年下の弟さんと2人兄弟。
弟さんは高校時代(安川さんが大学2年生の頃)に不登校になったと言います

今でこそなぜ弟が不登校になったのかなど、少しずつ話してくれるようにはなりましたが、当時は背景も、苦しみの原因もわからないままでした。だからこそ、同じように苦しんでいる子や今の状態に違和感ある子の気持ちをわかるようになりたい、何かヒントがないか?と思っていました。

実際に働き始めると、ご自身の今までの経験がすべて役に立つ感覚がし、今まで点だった経験が線につながったといいます。

EA3では普通の科目学習以外に、毎日午後にはグローバル、クリエイティブ、STEAM教育(Springin'というプログラミングアプリを利用)、PE(体育)などの授業があります。例えばグローバルはインドでの経験が全て活きていて、自身の経験をもとにした「インド留学記」という企画も組んで授業をしました。
STEAM教育もインドで学んだことや好きなイラストがいかせますし、PEに関しては中高とかなりストイックな運動部にいたため、それも活かせると感じました。
実はそれまでにも他の教育系の企業も少しみていましたが、どうしてもビジネスに寄っていることがネックで、進路として働くイメージは湧いていませんでした。
社会や子どもたちのために本当になっているのか、疑問が残ってしまうことが嫌だったんです。

ですが、EA3でのインターンではそのようなことは全くなかったですね。
ただ純粋に、「子どもたちが生きる未来がたのしみ」と、そう思えるんです。

今までになかった感覚を掴んだ安川さんは、この後10カ月間EA3でのインターンを続けました。
その後正社員として秋入社をした安川さんに、決断軸についても伺いました。

流暢な英語、インドでの留学経験、だけど選んだのは「日本」の「NPO」だった。

幼い頃から英会話教室に通った経験やホームステイの経験あり、昔から英語に親しんできたという安川さん。インド留学経験や模擬仲裁と、ご経歴を見ると外資系企業や海外での活躍も容易にイメージが沸きますが、最終的に選んだのは日本のNPO。
周囲の反応や、意思決定に至った経緯について伺いました。

私は普段、人にあまり相談しません。
親がいい意味でも放任主義なこともあり、インド留学でさえ特に止められなかったくらいです。笑

ですが、ゼミの教授にだけはよく進路相談をしていました。
「第二の母」と感じるくらい、とても信頼があったからです。
ですがNPOに就職したいと言った時、そんな
教授にも大反対されて、教授も私もZOOM越しに大号泣しました。笑

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信頼する教授にわかってもらえないことは辛かったという一方で、トビタテ!留学JAPANの研修で言われたある言葉が、安川さんの背中を押してくれたと言います。

トビタテ!留学JAPANの研修で印象に残っている言葉に「大人の言うことは信頼するな」というものがありました。
背景としてはVUCA※時代において、私たちは大人とは全く違う社会で生きてる人であり、違う時代を生きていく人だからこそ信頼してはいけない、ということでした。
この言葉を思い出して、最終的には自分が信じる道を選びました。

※「先行きが不透明で、将来の予測が困難な状態」を意味する言葉。V(Volatility:変動性)、U(Uncertainty:不確実性)、C(Complexity:複雑性)、A(Ambiguity:曖昧性)

後編はこちら

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