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スタッフインタビュー安川由莉【後編】

スタッフインタビュー安川由莉【後編】

スタッフインタビュー安川由莉さん【後編】

NPO法人エデュケーションエーキューブ(EA3)スタッフ兼広報の三上佑季です。
こちらの記事ではEA3で働くスタッフのインタビューをお送りします。
2回目となった今回は、(インターン期間を含めた)入社2年目の安川さん(やっさん)です。

安川由莉さん
西南学院大学法学部国際法関係学部 卒業
大学時代は英語塾や野球場でのアルバイトを経験。ゼミでは国際家族法を専攻し、架空の国際取引紛争について英語でディベートをおこなう団体「Vismoot(国際模擬商事仲裁大会)」などにも精力的に取り組んだ。その他にも、大学2年生でルワンダ共和国にて1ヶ月のインターン、大学3年生の時に「トビタテ!留学JAPAN(※)」という文科省が推進するキャンペーンに応募。見事専攻を通過し、インドに7ヶ月間滞在し、IT留学、人材会社にインターンとして働いた。(インド留学に関してはこちらの記事も合わせてご覧ください。)現在はフリースクール事業の運営を担う。

※文部科学省が行う、意欲と能力ある全ての日本の若者が、海外留学に自ら一歩を踏み出す機運を醸成することを目的として、2013年10月より開始した留学促進キャンペーン

EA3に関わりだして1年が経った安川さん。1年働いてみて感じる難しさについて聞いてみました。

今難しいなと思うのは、毎日教室に来てくれる子どもたちの人間関係や子ども同士のコミュニケーションをどううまく成り立たせていくのかということですね。
やっぱりコミュニケーションにも特性が影響するので、どう伝えようか、どう話そうかと悩んだり頭を抱えることも多いです。インクルーシブ教育の難しさではあるんですが、いかに子どもたち一人一人の個性や特性を良い方向に伸ばせるか?というのは、周囲の大人の力量にかかっていると思うんです。

他にも「企画作り」は結構大変です。
子どもたちの学びになりつつも、楽しいと思える企画を考え続けることが大事で、業務中だけでは良い案が思いつかないこともあります。それでもお休みの日とかに、例えばニュースをみている時に「あ、これ対話で使えるな」という風に突然閃いたり、日常の至る所で気づきがあるんですよね。

勤務時間以外にも子どものことを考えることが多いと言う安川さん。インタビュー中には、そんな彼女らしい発言もありました。

そういえば夢でも教室にいて、子どもと何かしてたことがあるんです。笑 だから多分、寝ている時も考えるんだと思います。疲れないの?とよく言われますが不思議と全然疲れないんですよ。笑  

疲れるよりも楽しいの方が大きくて、それもEA3を選んだきっかけかもしれないです。今だからいえますが、逆にインドのインターンの時は、お仕事の最中に夢の世界に行ってしまうなんてこともあったので笑

まさに天職とも言えるほど、EA3でのお仕事に夢中の安川さん。そのストイックさや、1つの物事に集中できる性格は中学生の頃からだったと言います。

中高は運動部だったのでストイックだったのと、大学時代も4年間ディベートに打ち込みましたね。本当に夜中までやってるくらいで、人からは「そこまでやらなくていいじゃん」と言われていました。でも、自分が許せないからこそしたくなっちゃうんですよね。笑

文化系の見た目とは裏腹に、ストイックで夢中になると一点集中してこだわり抜ける強さをもった安川さん。今のお仕事のやりがいはどんなものなのでしょうか。

私は友達以上、先生未満。

子どもたちが成長している過程が目に見えてわかるのはやっぱり一番のやりがいですね。

「成長」と一言で言いますが、不登校だったり、痛みや生きづらさを人よりもたくさん感じている子もいる中で、確実に成長している姿というのは本当に、なんというか自分自身も励まされますね。そしてその先に、「世の中がよくなってる」という実感がありますし、将来
この子たちが大きくなって、生きていく未来がすごくたのしみなんです。

心の底から子どもたちの未来が楽しみだという安川さん。そんな安川さんに、「どんな先生でありたいか」聞いてみました。

私はまだ「大人気ない一面」を持っているのかなあって思っているんですね。大人になりきれない部分があるというか。でもそれって子どもたちと関わる上では、うまく働く時があって、自然にコミュニケーションが取れたりもします。だから、大人になりきらない大人、子どもに一番近い大人という存在でありたいなあって思います。ちゃんと子どもの気持ち、子どもの立場に立って考えることを大事にしたいですね。実は子どもたちにずっと伝えている言葉があって、それが「わたしは友達以上、先生未満です」っていうやつなんです。笑

だから「先生」って本当は呼ばれたくないんですよね。

救われる子たちを増やしたい。まずは日本の教育、そして世界の教育へ。

最後に安川さんにこれから先のご自身のビジョンについて伺いました。

やっぱり子ども達と接する中で、もっとこの子たちの成長を長い視点で見たいと思っています。直近だと、私たちの掲げる「2030年にスタディプレイスを全国に100校」という目標に貢献したいですし、もっと「フリースクール」の存在を知って欲しいと思います。その結果、救われる子たちを増やしたいんです。
だからこそ、
毎日の業務が次につながるように課題をみつけて、どう日々改善していくかを大切にしたいです。

大きな数字と未来を見据えつつも、目の前の1つ1つの業務がそこにつながっていくという感覚も忘れない安川さん。
国内だけではない海外を含めた未来の可能性について聞いてみると、現在進行形での悩みを教えてくれました。

たしかにそうですね、早く海外に行きたい気持ちはあります。
大学2年生の頃に行ったルワンダ共和国でのインターンなども実は国際協力への興味からで、世界をもっとよくするための勉強はしていきたいです。

ただ迷いもあって、かつて尊敬する弁護士の先生に言われた「世界より目の前に困ってる人いっぱいいるじゃん」という言葉が今でも引っかかっているんです。
日本に目線を向けた時にもっと身近に困っている子どもたちがいる、ということだったんですが、確かに父の仕事をみていても、教員の働き方や人材不足などあらゆる課題が山積みです。だからこそ、まずは日本の教育業界をもっとよくしていきたいですし、その先でもいつかは海外で活躍したいですね。

【スタディプレイスとは】
ICT(情報通信技術)を活用した個別最適化学習や、社会で必要な知識・スキルのカリキュラムを提供するオルタナティブスクールです。
福岡市西区・東区、大野城市、行橋市、オンライン校を含めた合計5校を展開しており、経済的な背景に関係なく、すべての子どもたちが学べる独自の奨学制度もあります。
入校をご検討中の方は見学・体験が可能です。まずはこちらからお気軽にお問い合わせください。

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さいごに

安川さんのインタビューでは常に「子どもたちにとって」という言葉が多く使われました。「誰かのために何かをしたい」という気持ちが言葉にも姿勢にも現れている安川さんに、その気持ちの原点について聞いてみました。

私は「自分のこうしたい!」というものがない分、人を支えることにやりがいを感じやすいんだと思います。
誰かのためになっている実感が自分の喜びになるのかな、と思います。

そんな安川さんを象徴する出来事が部活だと言います。
中学ではバトミントンプレイヤー、高校ではバレーボール部のマネージャーだった安川さんですが、プレイヤーとマネージャーではその意気込みも全く違ったそうです。

正直、プレイヤーの時はめちゃくちゃ弱くて、「勝ちたい」という気持ちもなかったんです。笑 
でも、高校でマネージャーをした時は、本当に勝ちたいという気持ちが大きくて、
チームが勝つことだけを願っていました。

そんな人のためならどこまでも頑張れる、考えられる安川さん。彼女の想いが伝わってくるインタビューでした。

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