SCENE1 僕は、僕のままじゃ駄目なのか?
中学校に通うこと。Nさんがその「苦痛」に耐えられなくなったのは、中学1年の頃だった。
担任からたびたび注意を受けていた。「シャツが出ている。ちゃんとズボンに入れなさい」「しゃきっと座って話を聞きなさい」Nさんが理由を尋ねると、「駄目なものは駄目」疑問が脳裏を占め、学習どころではない。「自分の存在が否定されている」と感じていた。
Nさんは意を決して母親に聞いた。「どうしても学校に行かないといけないの?」母親は事情を詳しく聞き、「行かなくていい」と答えた。Nさんはもともと身の回りの整理が苦手。その特性を母親は担任に伝えたが、対応は変わらなかった。
小中学校における不登校児童数
24.5万人
出典:2021年児童生徒の問題行動調査(文科省)
発達障害の可能性がある児童の割合(1学級)
7.7%
出典:内閣府
Society5.0実現に向けた政策パッケージ(2022)